第171回坐禅会(参加者:11名)
2月15日(土)
早朝5時半より、月例坐禅会を行いました。
折しも、この日はお釈迦さまが亡くなられた日ということで、坐禅後に「涅槃図(コメント欄参照)」の前で一念を捧げお話ををしました
皆さん、このようなご経験はお持ちでないでしょうか?
「ずっと頼りにしていた方がいなくなり、自分で判断をしなければならなくなった。その時にとても不安を感じた」
仕事や家庭でもこんな場面て、ありますよね。
お釈迦様が亡くなる直前、弟子のアーナンダも同じことを想い、こう尋ねました。
「お釈迦様亡き後、私たちは何を頼りに進んで行ったらよいのでしょうか。」
すると、お釈迦様は
『自らを灯明(とうみょう)とし、法を灯明とせよ』と説かれました。
※この灯明というのは、島とも訳されます。
例えば皆さんが、先の見えない暗い海をただ一人漂っているとしたら、とても不安を感じると思います。そんな時、ふと灯台の明かりを見つけたら、きっと安心することでしょう。島の大地に足がついたら、さらに安心感が得られると思います。
お釈迦様は、苦しみや悲しみの多い世の中において、それらとどう向き合えばよいか悩み、長い修行の末、悟りを開かれました。
そして私たちに、人間としての正しい生き方を数多くお示しくださいました。人生の道に迷いそうになった時は、他人の言動に振り回されず、仏法を拠り処とした自分自身の心に従いなさいという教えが、「自灯明・法灯明」という言葉に表されています。
さて、私が父の後を継ぎ住職になったのが今から約十年前・三十歳の頃でした。今も勉強中の身ですが…その頃は、やるべきこと・覚えることが山積みで、毎日必死に法要や事務作業をつとめていました。
そんなある日のこと、大型の台風の影響で地域一帯が停電となってしまいました。折りしも、早朝坐禅会の日でした。開催するか迷っていたところ、父の代から通っている80代のベテラン参加者の男性が、
「いやなに。道元さんの時代は、このロウソク一本だけじゃろ。方丈さん、いつものようにやりましょう!」と言ってくださいました。
この言葉に励まされ、暗いお堂の中、何とか坐禅を行じることが出来ました。この時に、ああこの方は自分自身を照らす灯りをちゃんとお持ちなのだなぁと感じました。
新米住職として「この時、父がいたらどう判断するだろうか」「祖父ならこう思うのではないか」と自問自答の日々ですが、周りで支えてくださるお檀家様や家族とのつながりを頼りに、自分自身の足元を照らし生きていきたいと思います。
ロウソクの灯りは、決して大きなものではありませんが、自分の身の回りを照らすには十分な光です。そして、何より温かいものです。
どうぞ、皆様も心の中にある大切な方の声に耳をすませ、これからも一歩ずつ歩んでいきましょう。
【お知らせ】
①「第3回 静岡梅まつり」
・3月1日(土)9:30〜15:00頃
・3月2日(日)9:30〜15:00頃
会場:
久住山 洞慶院
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https://www.facebook.com/share/12LYysHZiXz/?mibextid=wwXIfr
②「丹羽富美世 100歳の誕生日会」
・3月30日(日)12:00〜15:00頃
会場:
庵原山 一乗寺
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https://www.facebook.com/share/1Z21xfRZY1/?mibextid=wwXIfr
ぜひ、お気軽にご来場ください(*´꒳`*)

次回の「月例坐禅会」は、3月1日(土)あさ5時半~/予約不要・参加無料です。
※足を組むのが困難な方には、イス坐禅をお勧めしております。